AWS とは
AWS は世界で最も広く使われているクラウドプラットフォームのひとつです。このレッスンでは、AWS の全体像と、クラウドを使うことで得られる 6 つのメリットを学びます。
AWS とは
AWS(Amazon Web Services)とは、Amazon が提供するクラウドプラットフォームです。これまでのレッスンで「クラウド事業者が用意した設備をインターネット越しに借りて使う」という話が出てきましたが、その代表的な事業者が AWS です。
AWS は、世界で最も包括的で、幅広く採用されているクラウドの 1 つです。「包括的」とは、サーバーやストレージ、データベースをはじめ、ほかのどのクラウドサービスよりも多くの種類のサービスを揃えているという意味です。そのため、小さな個人開発から大企業の基幹システムまで、さまざまな規模・用途で利用されています。
「クラウドコンピューティング」と「AWS」は混同しやすいので整理しておきましょう。クラウドコンピューティングは「IT リソースをインターネット経由で借りる」という仕組み・考え方を指し、AWS はその仕組みを実際に提供するサービス(プラットフォーム)のひとつです。
AWS が提供するサービス
AWS は、200 を超えるサービスを世界規模で提供しています(2026 年 6 月時点)。サービスは用途ごとにカテゴリで整理されており、代表的なものには次のようなカテゴリがあります。
| カテゴリ | 何のためのものか | 代表的なサービス例 |
|---|---|---|
| コンピューティング | プログラムを動かすサーバーや実行環境 | Amazon EC2、AWS Lambda |
| ストレージ | ファイルやデータを保存する場所 | Amazon S3 |
| データベース | データを整理して保存・検索する | Amazon RDS、Amazon DynamoDB |
| ネットワーキング | リソース同士やインターネットをつなぐ | Amazon VPC、Amazon CloudFront |
| セキュリティ | 誰が何にアクセスできるかを管理する | AWS IAM |
これらはほんの一例で、ほかにも分析や機械学習(AI)など、幅広い分野のサービスが揃っています。
このコースでは、こうした代表的なサービスをセクションごとに 1 つずつ学んでいきます。いまの段階では、それぞれのサービスを覚える必要はありません。「AWS には、やりたいことに合わせて選べるたくさんの部品が用意されている」というイメージを持っておけば十分です。
サービス名には「Amazon ◯◯」と「AWS ◯◯」の 2 通りがあります(例: Amazon EC2、AWS Lambda)。これは AWS 公式の表記に従ったもので、どちらも AWS が提供するサービスである点に違いはありません。
クラウドがもたらす 6 つのメリット
クラウドコンピューティングのレッスンでは、クラウドの主なメリットとして俊敏性・コスト最適化・スケーラビリティ・グローバル展開の 4 つを紹介しました。AWS はこれらをより体系的に整理し、クラウドコンピューティングの 6 つのメリットとしてまとめています。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 固定費が変動費に置き換わる | 使う前に設備を買い揃える必要がなく、使った分だけ支払えばよい |
| 大幅なスケールメリットが得られる | 多数の利用者の使用量がまとまることで、自前で用意するより低コストになる |
| キャパシティの推測が不要になる | どれだけのリソースが必要かを事前に予測しなくても、必要に応じて増減できる |
| スピードと俊敏性が向上する | 新しいリソースを数週間ではなく数分で用意でき、すばやく開発・実験できる |
| データセンターの運用・保守が不要になる | 設備の管理を AWS に任せ、自分たちはビジネスに集中できる |
| 数分でグローバル展開できる | 世界中の拠点へ数クリックで展開し、利用者の近くからサービスを届けられる |
それぞれを少し掘り下げてみましょう。
固定費が変動費に置き換わる
オンプレミスでは、使い始める前にサーバーなどの設備を購入する必要がありました。これは、使うかどうかにかかわらず先に発生する固定費です。クラウドでは、使ったリソースの分だけ支払う変動費に置き換わるため、大きな初期投資なしに始められます。
大幅なスケールメリットが得られる
ものは、大量に仕入れるほど 1 個あたりの値段が安くなります。同じことがクラウドでも起こります。AWS には世界中から膨大な数の利用者が集まっており、その需要をまとめて設備を調達・運用するため、1 社が自前で用意するのとは比べものにならない規模でコストを下げられます。そして、AWS が下げたコストの分だけ、利用者が支払う料金も安くなります。このように、規模が大きいほどコストを下げられる仕組みをスケールメリット(規模の経済)と呼びます。
キャパシティの推測が不要になる
オンプレミスでは「どれくらいのサーバーが必要か」を事前に予測してから購入する必要がありました。予測が多すぎれば高価なリソースが遊んでしまい、少なすぎれば容量が足りなくなります。クラウドでは必要な分だけを使い、数分で増減できるため、こうした予測そのものが不要になります。
スピードと俊敏性が向上する
オンプレミスでは、新しいサーバーを調達・設置して使えるようにするまで数週間かかることもありました。クラウドでは、新しいリソースがクリックひとつで手に入るため、それが数分にまで短縮されます。試したいアイデアをすぐに形にできるので、組織全体の動きが速くなります。
データセンターの運用・保守が不要になる
サーバーをラックに設置し、電源や冷却を管理するといったインフラの重労働を、自分たちで行う必要がなくなります。空いた労力を、自社のサービスや顧客といった本当に価値を生む部分に振り向けられます。
数分でグローバル展開できる
世界中に広がる AWS の拠点を使えば、数クリックで複数の地域へアプリケーションを展開できます。利用者の近くにシステムを置くことで、低コストのまま応答を速くすることができます。
まとめ
- AWS(Amazon Web Services)は、Amazon が提供するクラウドプラットフォームで、世界で最も広く使われているクラウドの 1 つ
- 200 を超えるサービスを世界規模で提供しており、用途ごとにコンピューティング・ストレージ・データベースなどのカテゴリに整理されている
- 個々のサービスは以降のセクションで学ぶので、いまは「やりたいことに合わせて選べる部品が揃っている」というイメージで十分
- AWS はクラウドの利点を「クラウドコンピューティングの 6 つのメリット」として整理している
- 6 つのメリットは、固定費が変動費に置き換わる/大幅なスケールメリット/キャパシティの推測が不要/スピードと俊敏性の向上/データセンターの運用・保守が不要/数分でグローバル展開
問題に挑戦