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mise 入門 - 開発ツールのバージョン管理を簡単にする

mise 入門 - 開発ツールのバージョン管理を簡単にする

mise を使って Node.js や Python などの開発ツールのバージョンを管理する方法を解説します。インストールから基本的な使い方まで、ステップバイステップで説明します。

最終更新: 2026年1月20日

mise とは

mise(読み方: ミーズ)は、開発ツールのバージョン管理を行うためのツールです。正式名称は mise-en-place(ミーズ・オン・プラス)で、フランス料理の「準備を整える」を意味する用語に由来します。Node.js、Python、Ruby など、複数のプログラミング言語やツールのバージョンを簡単に切り替えられます。

公式サイト: https://mise.jdx.dev

従来のツールの課題

開発をしていると、プロジェクトごとに異なるバージョンのツールが必要になることがあります。

  • プロジェクト A では Node.js 22 を使用
  • プロジェクト B では Node.js 24 を使用

従来は、言語ごとに別々のバージョン管理ツールを使う必要がありました。

言語バージョン管理ツール
Node.jsnvm, nodenv
Pythonpyenv
Rubyrbenv

これでは、ツールごとに使い方を覚える必要があり、設定も複雑になりがちです。

mise の機能

mise は以下の複数の機能を 1 つのツールで提供します。

  1. ツールのバージョン管理: Node.js、Python、Ruby など、多数のツールに対応
  2. プロジェクトごとの自動切り替え: ディレクトリに入ると自動でバージョンが切り替わる
  3. 環境変数の管理: プロジェクトごとに環境変数を設定できる

この記事では扱いませんが、mise にはタスクランナー機能もあります。makenpm scripts の代わりとして、プロジェクトのビルドやテストなどのタスクを定義・実行できます。

インストール

mise をインストールする方法はいくつかあります。お使いの環境に合わせて選んでください。

macOS / Linux

curl(カール)コマンドを使う方法が最も簡単です。curl は URL からデータをダウンロードするコマンドで、多くの環境に標準でインストールされています。ターミナルで以下のコマンドを実行してください。

# mise をインストール(~/.local/bin にインストールされる) curl https://mise.run | sh

インストールが完了したら、mise が正しくインストールされたか確認します。

# バージョンを確認 ~/.local/bin/mise --version

Homebrew を使う場合

macOS で Homebrew を使っている場合は、以下のコマンドでもインストールできます。

# Homebrew で mise をインストール brew install mise

Homebrew のインストール方法は「Mac で Homebrew をインストールする方法と基本的な使い方」を参照してください。

Homebrew でインストールした場合、mise は自動的に PATH に追加されます。

Windows

Windows では Scoop または winget を使ってインストールできます。

# Scoop を使う場合(推奨) scoop install mise # winget を使う場合 winget install jdx.mise

Scoop のインストール方法は「Windows 向けパッケージマネージャー Scoop のインストールと基本的な使い方」を参照してください。

シェルへの設定(アクティベーション)

mise をインストールしただけでは、ツールのバージョン自動切り替え機能は有効になりません。シェル(ターミナルで使うコマンド入力環境)に mise を登録する必要があります。これにより、ディレクトリを移動した際に mise が自動でツールのバージョンを切り替えられるようになります。

この設定を「アクティベーション」と呼びます。

Bash の場合

# ~/.bashrc に mise のアクティベーション設定を追加 echo 'eval "$(~/.local/bin/mise activate bash)"' >> ~/.bashrc

設定を反映するために、ターミナルを再起動するか、以下のコマンドを実行します。

# 設定を再読み込み source ~/.bashrc

Zsh の場合

macOS のデフォルトシェルは Zsh です。

# ~/.zshrc に mise のアクティベーション設定を追加 echo 'eval "$(~/.local/bin/mise activate zsh)"' >> ~/.zshrc

設定を反映します。

# 設定を再読み込み source ~/.zshrc

PowerShell の場合

PowerShell を使っている場合は、以下のコマンドを実行します。

# PowerShell のプロファイルに mise のアクティベーション設定を追加 echo '(&mise activate pwsh) | Out-String | Invoke-Expression' >> $PROFILE

設定を反映するために、PowerShell を再起動するか、以下のコマンドを実行します。

# 設定を再読み込み . $PROFILE

$PROFILE のパスにファイルが存在しない場合は、New-Item -Path $PROFILE -ItemType File -Force で事前に作成してください。

設定の確認

mise が正しく設定されているか確認するには、mise doctor コマンドを使います。

# mise の設定状態を診断 mise doctor

問題がなければ、mise を使う準備は完了です。

基本的な使い方

ツールのインストールと有効化

mise でツールをインストールして使えるようにするには、mise use コマンドを使います。

# Node.js 24 をインストールしてプロジェクトで使用する mise use node@24

このコマンドを実行すると、以下の処理が行われます。

  1. Node.js 24 の最新バージョンがインストールされる
  2. 現在のディレクトリに mise.toml ファイルが作成される
  3. このディレクトリで Node.js 24 が使えるようになる

mise install コマンドはツールをインストールするだけで、PATH への追加は行いません。ツールを使えるようにするには mise use を使ってください。

グローバル設定とプロジェクト設定

mise には 2 種類の設定があります。

設定の種類適用範囲コマンド
プロジェクト設定現在のディレクトリのみmise use
グローバル設定システム全体(デフォルト値)mise use -g
# グローバル設定として Node.js 24 を設定 mise use -g node@24 # プロジェクト設定として Node.js 22 を設定(現在のディレクトリのみ) mise use node@22

プロジェクト設定はグローバル設定より優先されます。つまり、プロジェクトディレクトリに入ると、そのプロジェクト用のバージョンに自動で切り替わります。

バージョンの確認と切り替え

現在インストールされているツールとバージョンを確認するには、mise ls コマンドを使います。

# インストール済みの全ツールを表示 mise ls # 現在のディレクトリで有効なバージョンのみ表示 mise ls --current

特定のバージョンを一時的に使いたい場合は、mise exec コマンドが便利です。

# Node.js 22 で一時的にスクリプトを実行 # 「--」の後ろに実行したいコマンドを書く mise exec node@22 -- node ./app.js

設定ファイル(mise.toml)

mise use コマンドを実行すると、現在のディレクトリに mise.toml ファイルが作成されます。このファイルを直接編集することもできます。

基本構文

# mise.toml の基本的な書き方 [tools] # ツール名 = "バージョン" の形式で指定 node = "24"

複数ツールの指定

1 つのプロジェクトで複数のツールを使う場合は、[tools] セクションに並べて書きます。

[tools] # Node.js 24 の最新版を使用 node = "24" # Python 3.14 の最新版を使用 python = "3.14" # shellcheck は常に最新版を使用 shellcheck = "latest"

バージョンの指定方法には以下の種類があります。

指定方法説明
ファジー指定"20"20.x.x の最新版
固定指定"20.0.0"正確にそのバージョン
latest"latest"常に最新版

バージョンを固定したい場合は、mise use --pin を使うと、インストールした正確なバージョンが記録されます。

# 正確なバージョンを mise.toml に記録 mise use --pin node@24

環境変数の設定

mise では、プロジェクトごとに環境変数を設定することもできます。

[tools] node = "24" [env] # 環境変数を設定 NODE_ENV = "development" API_URL = "http://localhost:3000" # PATH に追加のディレクトリを含める(_.path は mise 独自の特殊記法) _.path = "./node_modules/.bin"

[env] セクションに書いた環境変数は、そのディレクトリに入ると自動的に設定されます。

よく使うコマンド一覧

コマンド説明
mise use <tool>@<version>ツールをインストールして現在のディレクトリで有効化
mise use -g <tool>@<version>ツールをグローバルに設定
mise installmise.toml に記載された全ツールをインストール
mise lsインストール済みツールの一覧を表示
mise ls --current現在有効なツールとバージョンを表示
mise exec <tool> -- <cmd>指定したツールで一時的にコマンドを実行
mise doctormise の設定状態を診断
mise --versionmise のバージョンを表示

まとめ

この記事では、mise の基本的な使い方を解説しました。

  • mise とは: 複数の開発ツールのバージョンを一元管理できるツール
  • インストール: curl https://mise.run | sh で簡単にインストール可能
  • アクティベーション: シェルの設定ファイルに追記して自動切り替えを有効化
  • 基本的な使い方: mise use でツールをインストール・有効化
  • 設定ファイル: mise.toml でツールのバージョンや環境変数を管理

mise を使うことで、プロジェクトごとに異なるバージョンのツールを簡単に切り替えられるようになります。チーム開発では、mise.toml をリポジトリに含めることで、全員が同じ環境で開発できます。

参考リンク